コラム

インフルエンザワクチンの接種と重要性

インフルエンザワクチンの接種と重要性

~新型コロナの経験も踏まえて~

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インフルエンザは、毎年秋から冬にかけて流行するウイルス性の感染症で、突然の高熱、全身倦怠感、関節痛などが特徴です。多くの方は数日で回復しますが、特に高齢者や小児、基礎疾患のある方では肺炎や、脳症などの重い合併症引き起こすこともあり注意が必要です。
その予防策として、最も有効とされるのがインフルエンザワクチンの接種です。ワクチンは体にウイルスの特徴を覚えさせ、実際に感染したときに免疫が素早く反応出来るように準備を整えるものです。インフルエンザワクチンは発症を完全に防ぐわけではありませんが、感染のリスクを減らし、重症化や入院のリスクを下げる効果があることが、多くの研究で明らかになっています。

また、感染力の強いインフルエンザウイルスは、学校や職場、医療機関、高齢化施設などで集団感染(クラスター)を引き起こすリスクがあります。たった1人の感染が周囲に広がり大きな影響を及ぼすこともあるため、ワクチン接種は「自分を守るため」だけではなく、「家族や大切な人を守るため」にも重要です。これは近年私達が経験した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」とも深く関係しています。新型コロナでも、ワクチン接種の普及によって重症化や死亡のリスクが大幅に減少し、医療機関のひっ迫が緩和されました。また多くの人がワクチンを接種することで感染の広がり抑える「集団免疫」の考え方が広く理解されるようになりました。感染症の流行を防ぐには、個人の対策だけでなく社会全体での予防意識が不可欠であることを、コロナ禍を通して学びました。インフルエンザワクチンも同様に集団免疫の一助となることが期待されます。特に免疫力が弱く、ワクチン接種が難しい人たち(乳児や重篤な病気の患者さんなど)を守るためには周囲の人の予防が何よりも重要です。

インフルエンザワクチンは毎年少しずつ形を変えるため、ワクチンの型も毎年更新され継続的な接種が必要です。接種から効果が現れるまでに2週間ほどかかるため、流行前の10~11月頃に接種を済ませておくのが理想とされています。ワクチン接種に関するご相談や、不安なことがあればどうぞお気軽にお声かけください。

遠山病院 薬剤部

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