先日、当院ではICT(感染対策委員会)主催にて全職員対象の院内感染防止研修が開催されました。テーマは「これだけは知っておこう 大人のVPD ~自身や周囲の健康を守るために~」です。この研修を通じて、私たちの身近にあるワクチンで防げる感染症(VPD)について改めて理解を深める機会となりました。
研修に併せて、ICTリンクナース会ではワクチン接種啓発運動を実施。各種ワクチンのリーフレットを作成し、1階待合ロビーにワクチン接種案内コーナーを設置しました。多くの来院者の方々が資料を手に取り、関心を寄せてくださる様子が見られました。
皆さんは“ VPD ”という言葉をご存じでしょうか?
VPDとはVaccine Preventable Diseases(ワクチンで防げる病気)の略です。
子どもだけでなく大人にも必要なワクチンが多くあり、大人のVPDには、以下のような感染症があります。
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ワクチン接種には、次の3つの大切な目的があります。
① 自分自身が感染症にかからないため
② 重症化や死亡リスクを減らすため
③ 周囲の人にうつさないため
つまり、ワクチンは「自分を守る」と同時に「大切な人を守る」ための備えなのです。
例えば、成人の肺炎のうち、約2~3割は肺炎球菌が原因です。
肺炎は日本人の死亡原因の第3位であり、加齢とともに死亡リスクが高まります。
近年は共働き世帯の増加により、祖父母が育児に関わる機会も多くなりました。お正月やお盆など家族で集まる場では、子どもから高齢者へ感染が広がるケースも多く見られます。子どもは肺炎球菌を保菌していることがあり、保育園や学校から様々なウイルスや菌を持ち帰ることも少なくありません。
そのため、高齢者の方には肺炎球菌ワクチンの接種が強く推奨されています。
自治体によっては接種費用の助成制度がありますので、該当の通知が届いていないか一度確認してみましょう。
感染症予防には、ワクチン接種に加えて、うがい・手洗い・マスク・口腔ケアなどの基本的な対策も欠かせません。
日々の生活の中で感染対策を意識し、健康を守る週間を続けていきましょう。
感染対策は特別なことではなく、日常の中の“思いやり”です。患者さんを守るだけでなく、同僚や家族、そして自分自身を守るための行動です。
一人ひとりの意識と行動が、院内や地域の大きな安全をつくります。今日からもう一度、自分の感染対策を見直してみましょう。
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